2003年の夏 フィンドフォーン(スコットランド)で見た景色

24年という歳月は、人の人生にさまざまな景色を見せてくれます。

私の中には、今でも色あせることのない、ひとつの鮮やかな原風景があります。

それは、スコットランド北部に広がるエコビレッジ、フィンドホーンの風です。

2003年 人生に疲れていた24年前の私

『心の扉を開く』(アイリーンキャデイ著)黄色い一冊の本と出会った。

毎日その本の1ページ毎の言葉だけを頼りにやっと呼吸をし、生きていた私。

フィンドフォーンに行かなくては!  

何としても!

決めて、2週間後に一人飛行機に乗りフィンドフォーンを訪れました。

家族には、前日手紙で「少し旅をしてくる・・・」とだけ残し、翌朝一人飛行場に向かいました。

子供2人は夏休みで家にいましたが、黙って出かけました。

その時は、色々なことを頭で考えることはできず、

壊れそうな私の心をそっと抱きしめて、ただ、ただフィンドフォーンを目指しました。

あの場所を訪れたとき、私の胸を強く打ったのは、美しい大自然だけではありませんでした。

見知らぬフィンドフォーンの森を一人散策していた時

その地に息づいていた、シュタイナー教育の学校がひっそりと存在していました。

子供達の笑い声、それを聞いた時・・・

ふっと、娘たちの笑顔が浮かんできました。

久しぶりに聞いた無邪気な子供の声。

私はそのシュタイナーの学校を覗き込みました。

その瞬間、私の娘達に無性に会いたくなりました。

そこは、霊的な感性を大切にする親が、自分の子供たちを通わせる学校。

見上げる空の広さ、木々のざわめき、そしてそこで学ぶ子どもたちの瞳の輝き。

校舎の周りには、人間が自然の一部として、地球と静かにつながりながら生きている穏やかな空気が満ちていました。

「なんて優しく、そして尊い世界なのだろう」――。

言葉にならない感動が、私の心の一番奥深くに、小さな種火のようにそっと灯されたのです。

10日間のエクスペリエンスウィークを体験して、私は少しだけ心が軽くなり日本へと帰国しました。

その後の私はスピリチュアルなカウンセラーとして活動することになりました。

最も私の魂が求めていた道

当時から、形を変えながらも、私の心の片隅にはいつもあのフィンドホーンの風が吹いていました。

人間は、本来もっと自然体で、宇宙の大きなリズムと共に生きられるのではないか。

目に見えないスピリチュアルな絆や、魂の温もりを感じながら生きる場所が、この世界にはもっと必要なのではないか、と。

あれから24年の時が流れた今、不思議なことに、あのとき胸に灯った種火が、再び大きな光となって私の中で動き出そうとしています。

あのスコットランドの風は、私に何を伝えようとしていたのでしょうか。

これからの物語の始まりとして、あの日の美しい記憶をたどりながら、私がこれから歩み出そうとしている道の話を少しずつ紡いでいきたいと思います。